クリスマスプレゼント
「はい、これ。メリークリスマス」
そう言って目の前にぶっきらぼうに差し出された手には、赤いラッピングと白いリボン。手のひらに乗るくらいの小さな箱だ。
「あ、どうもありがと」
受け取って、視線を上げる。
一瞬、目が合った。
「お、お礼なんかいいわよ」
彼女はすぐに顔を背けてしまった。それでも、顔が赤くなったのはよく分かる。
「あの、ほら、あんたがこうやってプレゼントを受け取れるのは、キリスト様が産まれてきてくれたお陰なんだからね。ちゃんと感謝しとくのよ」
うわぁ、分かりやすくバレバレな照れ隠しだ……。
「なんだか新興宗教の勧誘みたいだね」
「おかしなこと言わないの」
ちぇっ、自分だって変なことしてるくせに……。