太陽とくしゃみ
——かちゃっ。
——いっくし。
「ちょっと、何なのよ。部屋に入るなりくしゃみなんかして」
「いや、ほら、僕って日光浴びるとくしゃみの出る体質だから」
一体何の話やら、彼特有のとぼけた返事に、彼女はさらにカブせてきた。
「あらやだ、誰がお天道様みたいって?」
両手を頬に当てはにかみ、小さく首をかしげて見せる。そんな彼女をよそに彼は、片手を自分の額に当てた。掌は確かに熱を伝えてきている。おとなしく休んでいる方が良さそうだ。
「ごめん、本当は風邪でつらいからツッコミはパスね」
「何よ、そっちが最初にボケたくせに。これじゃあたしが一人でスベったみたいじゃない」
——いっくし。
「あぁ,寒気もする」
「寒いとか言わないで!」