恋を綴った贈り物
「京は告白、しないの?」
喫茶店で注文を終えた直後の舞の不意な発言は、私をとても動揺させた。
だけど唐突というわけじゃない。商店街にある、きれいな飾り付けのクリスマスツリーや、プレゼント商戦に熱を上げるショーウィンドウ。先日の舞が彼氏さんへ贈った誕生日プレゼントは大変喜ばれた、という会話。それらが頭の中で結び付いたのだろう。
「しない……かな。絶対うまく話せないもの」
「じゃあ手紙は? 口は苦手でも、言葉選びは得意でしょ。京ならうまくできるよ。恋を綴った贈り物」
「……舞って結構ロマンチストなのね」
指摘されて赤らむ舞。そこへ飲み物が運ばれてきて、二人ともすぐに手を伸ばした。
私もこの話から早く逃げ出したい。