Glenscape

Twitter300字ss 第62回 お題:「余り」

ゼロゼロ舞からヒミツのメッセージ

 三限目が始まる直前、教室に戻ってきたまいはなんだか難しい顔をしていた。私に気付いて、舞は耳打ちの仕草をする。
「あのね……、今日の数学、小テストが出ると思う」
 唐突な話題に、私は首をかしげて続きを促す。
「時々出る抜き打ちのやつ。今の三角関数に入ってから出てないよね」
 その時チャイムが鳴って、先生も入ってきた。会話を打ち切って前を向く舞の含み笑いが意味ありげに見えて、その横顔を見ながら私は言葉の裏を想像する。
 彼女はさっき職員室に行ったはず。そこで何かを知ったのかも。でもそれだけじゃない。このにやけた表情は何か違うことを言いたげだ。三角関数……。
 もしかして舞が言いたいのは……『四限に余弦のテストと予言