初めてのおみくじ
「末吉かぁ、残念」
先に引いた舞が唸った。
私のは中吉だった。実はおみくじを引くのが初めてで、ちょっとどきどきしていたのだった。ところが、少しほっとして読み進めると思わぬことが書かれていた。
黙る私の手元を舞が覗き込んできた。
「あっ、『恋愛 よろし 自ら告げよ』。やったじゃん――って何で戸惑ってるの」
「だって、こんなの見たら本当に行動しなきゃいけない気になる……」
「京って、占い信じ易いどころか振り回されるタイプ?」
「運命って、自分のペースじゃ動かないよね」
「自分に都合のいいとこだけ受け取ったらいいんだよ」
「――あっ、『学問 興味が広がる』だって。好きこそ物の上手なれ、だね」
「難しいことから目をそらした!」